働き方改革と感染予防の推進により、在宅勤務をする人が増えました。通勤時間が不要になるなど多くのメリットがありますが、デメリットについて語られることは多くありません。実際にはデメリットもあるので、勤務の仕方を選べるときはそちらも踏まえたうえで判断することが望ましいです。企業としては、そのデメリットの対策を十分に検討したうえで導入するようにしましょう。

代表的なデメリットとして挙げられるのは、情報漏えいのリスクが高くなることです。社外にデータを持ち出すことになるため、さまざまな点においてセキュリティが甘くなってしまいます。たとえば、インターネット回線に関してもそうであり、企業のように専用回線を使用するわけではありません。使用するパソコンにセキュリティソフトを入れておくことが対策になりますが、接続するルータやモデムに問題があれば防ぎきれないのが実情です。このリスクを小さくしたいなら、スマートフォンなどを貸し出して、それ経由の接続をルール化するようにしましょう。

また、カフェや図書館などで仕事をすると、第三者が自由に接近できる状況になります。したがって、パソコンや書類について、覗き見や持ち去りにも注意しなければなりません。対策としては、自宅の所定の部屋でしか仕事をしないように決めておくのが基本となります。パソコンをワイヤーで自室などに固定して、ロックを外さない限り持ち出せないようにしておくと安心です。家族であっても業務内容を教えないように指導する必要もあります

コミュニケーションが不足しがちになることも問題の一つです。テレビ会議システムを用いるのが一般的ですが、必要最低限のことを報告し合うだけなので、チームワークの低下を招きやすくなります。顔が見えても、やはり距離感があるので疎遠な雰囲気になりやすいことも問題といえます。したがって、定期的にオンラインでランチミーティングを行うなど、雑談も許可して親睦を深められる状況をつくること大切です。

その他のデメリットとして、プライベートと仕事を区別しにくことも挙げられます。混同しないように意識していても、ライフスタイルによっては完全に分けきれないことも珍しくありません。特に自宅に子どもがいる場合は、こちらの都合に関係なく話しかけてくることも多いです。話しかけないように注意しておくなど、仕事とプライベートのバランスを適切に維持するための意識が欠かせません。