モテる社長の法則


(更新日:2008年6月24日)

世の中を元気にしている成長企業。そのトップである社長には、キラリと世の中を魅了するカッコよさやモテる秘訣があるはず!
キャラ、ポリシー、ビジョンから湧き出るその魅力・・・etc。
普段接している社員だけに独り占めさせるのはもったいない。20代の私たちにもそのパワーをおすそ分けしていただこうと、世の中から一目置かれる"モテる社長"に接近し、その素顔に迫ります。

photograph by Shuhei Hori/text by ニシノシンヤ


不要品に新しい命を吹き込んで、世の中に再び送り出していく工場

野坂 英吾 氏

株式会社トレジャー・ファクトリー 代表取締役
野坂 英吾 氏


1972年、神奈川県生まれ。日本大学卒業。大学在学中、学園祭の実行委員、広告プロデュース会社でのインターンシップ、起業支援組織の立ち上げなど経験後、リサイクルビジネスを発案。大学在学中に、物件探しを開始。卒業後、1995年10月、開業資金30万円・150坪の倉庫で第1号店となる「トレジャーファクトリー足立舎人店」を開業。2007年12月26日、東証マザーズに上場。


父親を超えたい。中学2年生で描いた起業家の夢。

 

関東を中心に総合リサイクルショップを展開する株式会社トレジャー・ファクトリー。1995年に設立し、2007年暮れには東証マザーズに上場。リサイクル業界のリーディングカンパニーとして今も成長を続けている。今回は創業者であり、代表取締役である野坂氏にご登場いただきました。幼少期からの夢である「起業家」をどのように実現したのか?今の会社をどう成長させてきたのか?今後の目標などをお伺いしてきました。


 

―――幼少時代はシンガポールで過ごされたようですね?

そうですね。父親の仕事の関係で、2歳から10歳までシンガポールで過ごしました。ポイ捨てすると罰金を取られるぐらいですから、生活していてすごく綺麗な国でしたね。川に熱帯魚を捕りに出掛けたり、ソフトボールチームを作ったり、朝早くから夜遅くまで外で駆け回って遊んでいました。その後、帰国して硬式野球を始め高校3年まで続けたんですが、遊びやスポーツから学んだことは本当に多いと思います。

例えば野球では、自分の打撃や投球フォームをどう修正すれば良くなるのかということを常に考えていました。普通どうしても主観が入ってしまうのですが、そこを一歩下がって客観的に俯瞰して見てみる。すると、自分の欠点や修正点が明確に見えてくる。特に今は経営者という立場なので、実はこの視点は色んな場面で役立っています。あと野球など団体競技は自分一人だけの力じゃ勝てない。自分だけじゃなく、いかに周りの人たちの力を高めていくかということも学びましたね。

 

 

―――起業家という夢はいつ頃からお持ちだったんですか?

まず父親が偉大な存在だったので、この父を超えたいなという想いがありました。父はサラリーマンでしたが、子供の目から見てもとても仕事の出来る人でした。これは父と違う道を歩んでいかないと、父を超えたいという想いはとても叶わないんじゃないかと・・・。そこで漠然ですが起業家という夢を持ち始めたんです。あと大きかったのは中学2年の時。友人たちが「お前生徒会長になったらどう?」と推薦してくれたことがありました。それまではリーダー的な要素っていうのは自分にはないのかなと思っていたのですが、まわりはそういう目で見てくれていたんだと素直に嬉しかったです。

 

それで立候補することになって全校生徒の前で演説をする機会がありました。事前に演説の最後に名前を三回連呼しようと思っていたのですが、いざ前に立って、その光景をみたら何も言えなくなってしまって…。その時、どんなにいいこと、すばらしいことを考えていても、実行できなければ何も意味がないんだなっていうのを痛感しました。それ以来、どんなことに関してもその場面で精一杯の力を出し切ろうと考えるようになりました。

 

例えば野球では、ギリギリのタイミングの内野ゴロでは一塁へヘッドスライディングしていましたよ(笑)。後から後悔をしない生き方をしたいっていうのも、この頃から私の人生のテーマになっています。

 

 



3割の繁盛店から分析した、リサイクルビジネスの可能性。

―――大学時代はどのように過ごされたんですか?

 

起業というのが目標としてありましたので、その為に学生のうちにできることをやろうと考えました。具体的にはプロデュース会社でのインターンであるとか、学園祭の実行委員会などです。あと大学三年の終わりくらいには、ベンチャー企業の社長に直接話を聞くため講演会なども開催しました。私自身のネットワーク作りの意味もあって行ったのですが、そのイベントがきっかけで起業へのアドバイスも色々と頂きました。

 

その後、ある社長から起業のためのビジネスプランを50案考えてみなさいという課題を与えられました。実は、その中の一つが現在で行っているリサイクルビジネスでした。その当時、学園祭でバザーを開催したのですが、かなり盛況だったんです。それとちょうど1995年というのが粗大ゴミが有料化になるタイミングだったので、これはビジネスとして確立することができるのではないかと。それからはひたすらリサーチでした。大学4年の半年間で、合計48軒のリサイクルショップと名のつくところを片っ端から回りました。すると7割ぐらいがつぶれそうなお店だったのです。ただ、繁盛しているお店も3割あって自分なりにどういうところがポイントなのかを分析していきました。


―――その売り上げを伸ばしていた店のポイントは何だったのでしょうか?

 

当時のリサイクルショップは、まず値札が付いてないところが多く、商品は、基本現状そのまま。ホコリがかぶったまま売っている店も多かった。もちろん保証サービスも一切ない。それが常識だったんです。でも繁盛しているお店は、そのあたりがきちんとされていました。ここをしっかりやれば、今までのリサイクルショップのマーケットも広がるんじゃないかと思ったのです。ただ、友人にリサイクルビジネスの可能性の話をするといつも激論でしたね。「いやそれは無理じゃないか」「いや、でもやるんだ」と、議論は堂々巡りですよ。ただ私にとって起業は中学からの目標でしたので、一歩一歩準備を進めていました。大学在学中にはいつでも出店できる準備はできていました。

 

――――最初の一店目をオープンさせるのに大変だったらしいですが?


そうですね。事業内容は大学4年の夏には概ね決まっていたのですが、実際に出店する店舗がなかなか決まりませんでした。結局、そのまま大学を卒業。会社自体は、その5月に設立しました。なので物件が決まるまでは、知人からリサイクル品を集めたり、資金集めのために環境グッズなどを売り歩いたり、高速道路のパーキングエリアでアルバイトなどをして過ごしました。思い描いていた社長像とはかけ離れた生活です(笑)。結局、事業計画を認めて下さった不動産業者から「こんなに頑張っているのに可愛そうだ!」ということで新築の物件を安く借りさせてもらえることができたんです。1995年10月に150坪の倉庫でトレジャーファクトリー1号店がスタートしました。



 



 


1日のスケジュール
7:00
ランニング
走りながら頭の中を整理。
9:00
出社
メールチェック、1日の行動予定確認、社内稟議の決裁を行う。
9:30
朝礼
朝礼にて日々感じたことをスタッフと共有。
10:00
経営会議
各事業部からの報告。社内重要事項の確認。
11:00
来客
事業提携の打ち合わせ。
12:00〜13:00
お昼
今日はオフィス近くのそば屋で昼食。
13:00
社内会議
買取件数向上に向けての打ち合わせ。
15:00
新店舗視察
次期出店候補物件を現地視察。
18:00
採用面接
最終面接に出席。
19:00
食事会
前月のMVP店舗スタッフと食事会。
店舗での取り組み、成功事例等を聞き、前月の頑張りを称える。
22:00
帰宅、就寝

目標は江戸幕府を超える300年続く企業。

――――スタートから現在まですべて思い通り(順調)だったのですか?

 

いえいえ、苦難はもちろんありましたよ(笑)。ターニングポイントとなったのは、ちょうど8店舗目の時。そこから年間で6店も出店したため、スタッフが育ちきってない中での出店が重なり、人材育成が追いつかなくなってしまったのです。結果として新規店だけではなく、既存店も売上が落ち込んでしまいました。これはまずいと思い、いくつかの改善策を立てました。一つは、データの「見える化」です。現場のメンバーが細かな数字まで共有できるようにしたのです。あと単なる数字だけじゃなく、分かりやすいグラフにして今の状態が一目で分かるように工夫しました。そしてあとはエリアマネージャー制の導入です。ある店舗から吸い上げたノウハウを集めて、それをまた各店舗で実践していくということを繰り返し行うようにしました。そうすることで現場の人たちも、目的や問題を自ら考えるようになり自主性が生まれてきたのです。

 

――――その他、社員教育など具体的に取り組んでいることはありますか?

当社の経営理念は「人々に喜び・発見・感動を提供します」です。ただ組織が大きくなり社員が増えてくると、なかなかその理念を浸透させていくのが難しくなってきます。そこで、もう一歩踏み込んだ具体的な会社としてのポリシーや目標、さらに社員一人ひとりが日々の業務でどのように行動していけば良いかを明文化しました。現在では、常にそれを意識して共有できるよう社員手帳も作りました。私自身、会社は永続することが一番大切だと考えています。社会の中での存在意義、いかに貢献できているかでその企業の価値が決まってくるのではないでしょうか?目標は300年続く企業。江戸幕府の264年を超えたいと思っています。

 

――――最後に20代の方にメッセージをお願いします。


トレジャーファクトリーでは、20代の社員がたくさん活躍しています。現在、創業14年目ですが、実は4年目から新卒採用を行っていました。私自身も学生から起業した身ですから、若い方がチャンスをつかめる機会をたくさん提供したいという想いが昔からあったんです。やっぱり若い頃しか出来ない事ってあると思います。なので、色んな事を若いうちに経験して、自分自身を成長させ視野をどんどん広げていって欲しいですね。そうするとまたやるべき事が見えてくると思います。あとは、人の喜びを自分の喜びに出来る人も素晴らしいですね。個人の成果よりも、やっぱりチームとして最高のパフォーマンスを発揮できた時の方が喜びも倍増すると思うのです。自分の成長を通して、周りを成長させる。周りの成長を通して、自分を成長させる。その成長の循環(リサイクル)を是非、実践して欲しいです。

 

 



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木南氏アイテム
【愛用アイテム1】 【愛用アイテム2】 【愛用アイテム3】

【自社オリジナル社員手帳】

全社員に目標を明確にして取り組んでいこうという意味で作られた社員手帳。社員の行動指針なども書かれています。また個人と家庭と会社の目標を書く欄があるのが特徴。カラーも5色から好きなものを選べるそうです。

【自社オリジナルエコバック】

新卒の会社説明会で配布するために作られたエコバック。リサイクルビジネスを展開するトレジャー・ファクトリーならではの地球に優しい採用ツール。評判が良かったので社員用にも導入を検討しているそうです。

 

【マラソンシューズ】

大学時代は陸上競技をやっていた野坂氏。現在もジョギングを趣味とし、機会があればマラソン大会にも出場している。フルマラソンの自己ベストタイムは3時間45分。今年は100キロマラソンの完走を目指しているそうです。

 



【野坂氏が影響を受けた本】

外食王の飢え 

『外食王の飢え』
城山 三郎 (著),講談社文庫 

 

「時代は、ファミリーレストランの日本の創世記の頃。実話に基づいて作られている物語なのですが、 これでベンチャースピリットを学びました。私たちのビジネスも、元々は質屋という存在があったのですが、そこに新たな価値観を持ち込んでマーケットを作り出すという点で勇気づけれられた部分も多くあります。」(野坂氏)とのこと。

今でこそファミリーレストランもリサイクルショップも当たり前の世の中になっていますが、考えてみると市民権を得るまでは相当の苦労と工夫があったのではないでしょうか?是非、起業や新たな事業にチャレンジしようと考えている方にはオススメの一冊です。

 

 



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