モテる社長の法則


(更新日:2007年11月20日)

世の中を元気にしている成長企業。そのトップである社長には、キラリと世の中を魅了するカッコよさやモテる秘訣があるはず!
キャラ、ポリシー、ビジョンから湧き出るその魅力・・・etc。
普段接している社員だけに独り占めさせるのはもったいない。20代の私たちにもそのパワーをおすそ分けしていただこうと、世の中から一目置かれる"モテる社長"に接近し、その素顔に迫ります。

photograph by Shuhei Hori/text by Yoshitaka Nakamura


ご家庭の食卓に、美味しい食材をお届けします。
高島宏平 氏

オイシックス株式会社 代表取締役社長
高島 宏平 氏


神奈川県生まれ、東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修了後、外資系経営コンサルティング会社のマッキンゼー東京支社に入社。2000年5月の退社までEコマースグループのコアメンバーの一人として活動。 2000年6月に「一般のご家庭での豊かな食生活の実現」を企業理念とするオイシックス株式会社を設立し同社代表取締役社長に就任。生産者の論理ではなくお客様の視点に立った便利なサービスを推進している。

【受賞】
2005年 日本オンラインショッピング大賞・グランプリ受賞
2006年 Entrepreneur Of The Year Japanファイナリスト
2007年 企業家ネットワーク主催「企業家賞」受賞
2007年 「ヤング・グローバル・リーダー2007」で世界のリーダー250人に選出される
2007年 起業家表彰制度「DREAM GATE AWARD 2007」受賞


品質の高い「食品」と、インターネットによる「流通」。この親和性に注目しました。

 

美味しくて、健康に良い食物を手に入れたい。


「食」に対する国民の意識は高く、 健康的な食材のニーズはより高まっています。 また最近では、食品メーカーの安全性の問題も後を絶ちません。


体によい食品の流通・販売を行っている「オイシックス株式会社」が運営しているのが、有機野菜や無添加食品宅配・感動食材専門スーパー「Oisix(おいしっくす)」。


有機野菜を手軽に購入できる便利さと品揃えの豊富さが注目を集め、女性の社会進出や高齢化社会の到来で買い物や家事に手をかけられない女性を中心に、リピート客が急増しています。 今回は、同社社長の高島氏に、起業に対する思いや、ビジネス成功の秘訣をうかがってきました。



−−高島社長が、起業の際に「食」の分野に興味を持たれた理由を教えていただけますか?



前職で勤めていたコンサルティング会社・マッキンゼーで、 インターネット事業の立ち上げに関わっていたのが、会社を立ちあげたきっかけです。


もともとインターネットによるビジネスに興味を持っていましたが、中でも、「食」に注目したのは、食品はパーソナライズな要素が多く、ITとの親和性がとても高い業界だと思ったからです。また、生産者と消費者との距離が非常に多く、流通として効率化することのできる余地が大きいではないかと考え、業界が常に抱えている「食の安全性」の問題についても、生産者と消費者の距離が近くなることで、是正が進むと思ったんです。



――会社を立ちあげて、事業を成功させることができた秘訣を教えてもらえますでしょうか?



この会社を立ちあげて以来考えているのは、 とにかく食品のクオリティと味を追求することに注力すること。 そのためには、生産者のご理解とリレーション作りが欠かせません。 売っていくためには、まずは生産者の方々を説得していくしかありませんでした。 その課程において、日商岩井(現:双日)と資本提携をし、仕入れのルートが広がったことが私たちにとっては大きかったですね。


これまで、この事業を続けてくることができた理由は、 食品をご購入いただいているお客様に、 一度だけではなく、ずっと継続して「Oisix(おいしっくす)」を使っていただいているからです。 「Oisix(おいしっくす)」における購入単価は、1回平均5000円程度。 1回あたりの利益は数百円にしかなりません。 それでも、年間で継続購入していただけるお客様が多かったから、 当社の売上を伸ばすことができたんです。


一度ご購入いただいたお客様は、再び「Oisix(おいしっくす)」にアクセスした時に、購買傾向や家族構成にあわせたページが個々に提案されるようになりました。サイトの利便性が向上していくとともに、リピート客が増えていきました。

 


集客ノウハウは、徹底したトライ&エラーの繰り返しから生み出されたんです。

――「オイシックス」という社名の誕生秘話を教えてください。



自然食品を事業とする業界では、社名そのものが、 生産者の主義・主張を感じるネーミングであることが多いんです。
当社は、音で聞いた言葉を、そのまま言うことのできるネーミングが良いと思いまして、 「おいしい」という消費者視点の言葉から、「Oisix(おいしっくす)」という社名に決まりました。 当社のお客様で多い30代の女性にヒアリングしてリサーチを行った結果、 最も支持されたのが一番の決め手です。



――有機野菜や無添加食品宅配・感動食材専門スーパー「Oisix(おいしっくす)」。 サイトを便利にするために工夫されたことは何ですか?



サイトの企画・運営方法には2種類ありまして、 1つはユーザーである生活者の感覚になってサービスを見ていく右脳的な考え方。 そしてもう1つは、データを細かくとって検証を行うやり方です。 お店を経営するのと同じで、ロジカル的なアプローチも必要で、例えば、登録フォームの離脱率等を調べて何が何パーセント良かったのかをきちんと検証するといった トライ&エラーを繰り返して、今のサイトの形に行き着いたんです。



−―オイシックスの今後の事業展望について、お考えを教えてもらえますか?



もっと、食品の品数を増やしていきたいと思っています。現在、当社では約1500種類の商品群を扱っておりますが、私たちが扱う有機野菜は、商品とするかどうかの基準が非常に難しいんです。それでも、立ちあげた当初は野菜がたった20種類だけのスタートだったのが、現在ではペットフードやオーガニック食材など、様々な分野の 食材をラインナップに加える取り組みも行っています。


また、現在「Oisix(おいしっくす)」のお客様は、圧倒的にリピートによってご支持をいただいているのですが、 一般的な知名度という点においては、私はまだまだこれからだと思っています。知名度アップの試みとして、食品購入以外のおいても、お客様が楽しい食生活を送れるようにサポートしていければと考えています。そこで、献立を考える一助になればということで、レシピブログポータルサイト「Oixi〔オイシィ〕」を立ちあげました。


「Oixi〔オイシィ〕は、食にまつわる業界で活躍する人々(=“レシピエ”)が、 ご自身の秘蔵レシピをブログで紹介しています。 元プロテニスプレイヤーの伊達公子さんをはじめ、20名ほどの有名人の方にご寄稿をいただいています。「Oisix(おいしっくす)」をご覧いただいた方が、買い物をしない日でもお気軽に寄り道してもらえるようなサイトにしていこうと思っております。


1日のスケジュール
8:00 起床
9:00 海外取引先との電話会議、メールチェック
10:00 新入社員研修 講師
11:00 提携先企業と商談
12:00 社内マーケティング会議
13:00 昼食
14:00 雑誌取材
15:00 新商品社内試食会
17:00 生産者さんと商談
19:00 個人の仕事整理
20:00 EC事業部目標達成 お祝い会
23:00 帰宅
24:00

ジョギング

(多い日には、1日4回ほど試食があって、夜も会食があるのに、高島社長はまったく太っていない。その秘密は、夜中のジョギングにあった!)

2:00 就寝

チームワークが宝。社員それぞれの「オイシックス」が当社を支えています。

――最近は、食品の賞味期限切れ問題などが世間を騒がせておりますが、それについて、どのように感じているかをお聞かせいただけますか?



確かに今、その問題が世間ではすごく騒がれておりますが、いざニュースに出なくなると、人の記憶というものはだんだんと薄らいでいきますよね。私はそのことを危惧しています。例えば1年ほど前にはBSEの問題等もありましたけど、でも、このBSE問題にしても、決してずっと忘れてはいけないことなんです。


むしろ、今騒がれている「安心できる食品を提供する」というのは、ボールペンを売っている会社が、「ボールペンが書けます」と言うのと同じぐらい当たり前のことなんです。当社のビジネスモデルも、もともと「食の安全」を確保するためだけに考えたはじめたではありません。本質的なことはもっと他にあると思っています。何が大事なのかをしっかりと見直して、メディア等に左右されることのないように会社を運営していかなければと考えています。



−−段ボールを使ってパーテーションを組まれるなど、飾らないオフィスですね。これは、何かこだわりがあってのことでしょうか?

 

美味しくて体に良いクオリティの高い食品を追求し、お客様へのサービスとして還元することを第一に考えてやってきた結果、レイアウトにはあまり金をかけないようにしています。あと、すごいペースで増えていく人員の働く場所を確保するためには、しょっちゅうレイアウトを変更しなくてはいけませんので、その作業にかかる手間とコストを考えると、現在のところこのレイアウトに行き着いたんです。ですが、社員も増えてきましたので、社員が働く環境をもっと充実させることも考えていかなくてはいけないと思っています。



−−オイシックスはどのようなメンバーで構成されているのでしょうか?また、社風についても教えてください。

 

当社には、「食を安全にしたい」、 「世の中を変えたい」といった熱い考えを持った社員がたくさんいます。 社員全員、それぞれにとっての「オイシックス」があって、 年齢や経験に関係なく責任をもって働いています。


例えば、当社には「Oisix(おいしっくす)」の姉妹サイトとして、 こだわりスイーツのお取り寄せ通販サイト「Okasix(おかしっくす)」というサイトを運営しているのですが、 新卒で入社した新入社員が入社1年目から担当し、 その結果、売上に大きく貢献するまでに成長しました。このチャレンジによって、 若い人に任せることで、十分に成功することができることを実証することができたと思っています。 これからも、若い方に任せる事業展開も積極的に進めていきたいですね。



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「十五少年漂流記」。小学校のころから愛読しているそうで、サバイバルの中でチームワークがだんだんと作られていく話が、ベンチャー企業の立ちあげと、とてもよく似ていると思いましたとのこと。

日本橋で購入したという包丁は、創業210年を数える「KIYA」ブランドの高級品。以前は料理をされなかったそうだが、ご自身でも野菜を使った料理をしてみたいと思い購入した一品。

前職のマッキンゼー時代から起業した現在までずっと書き続けているというご自身のノート。今では29冊を数えるという。ご自身曰く、「僕は意外とアナログなんですよ。すぐにメモをとれるように肌身離さず持っています。」


【高島氏が影響を受けた本】
『十五少年漂流記』

十五少年漂流記
著者:ジュール ベルヌ

 

1880年にジューヌ・ベルヌが発表した少年向けの冒険小説。


無人島に漂着した15人の少年たちが、力をあわせて生活していく物語を描いている。高島社長が会社を立ちあげるにあたり、良いチームワークを作るにはどうすればいいのかとても考えさせられた一冊。

 



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